腹直筋離開(白線離開)とは?
「出産して何ヶ月も経つのにお腹だけ戻らない…」
「体重は落ちたのに、まるでまだ赤ちゃんが中にいるみたい…」
そんなお悩みを抱えるママさんへ。
そのポッコリお腹の原因は「腹直筋離開(白線離開)」かもしれません。
実は妊娠・出産を経験した女性の多くが、知らないうちにこの状態になっています。
お腹の中央には、左右の腹直筋をつなぐ「白線(はくせん)」という線維状の組織があります。
妊娠中、赤ちゃんの成長とともにお腹が大きくなることで、この白線が引き伸ばされ、左右の腹直筋が横に広がってしまうことを腹直筋離開(白線離開)といいます。
この現象は妊娠後期には90%以上の方に起こるといわれており、出産後6ヶ月程度で自然に戻る場合もあります。
しかし、出産回数が多い方、双子出産、高齢出産の方などは自然回復が難しいケースも少なくありません。
腹直筋離開の主な症状

以下のような症状に心当たりはありませんか?
・上の写真のように、お腹の皮膚がたるみ、ハリがなくシワシワになっている
・出産後いつまでもお腹のふくらみが残っている
・まるでまだ妊娠中のようにお腹が前に出ている
・お腹に力が入らず、腰が反る
・腰痛がひどくなった
・横になるとお腹が垂れ下がる
・でべそが目立つようになった
・内臓が下がったように感じる
これらは、腹直筋離開(白線離開)が原因で起こっている可能性が高いです。
自分でできる腹直筋離開チェック方

① 仰向けに仰向けになり、膝を立てます。
② 上半身を軽く起こして、おへそをのぞき込みます(軽い腹筋の姿勢)。
③ おへその上2〜3cm、または下に指を差し込みます。
⇒指が1本入る程度なら軽度、2本以上すっぽり入る場合は腹直筋離開の可能性が高いです。
当院ではさらに正確なエコー検査で確認が可能です。
文献によって差はありますが、エコーで左右の腹直筋の間隔が約2cm以上開いていると「腹直筋離開あり」と判断されます。
なぜ腹直筋離開が起こるのか?
腹直筋離開の直接的な原因は、腹横筋(ふくおうきん)という深層の筋肉の機能低下です。
腹横筋は「天然のコルセット」と呼ばれ、内臓を支え、腹圧を安定させる大切な筋肉。
妊娠中はホルモン(リラキシン)の影響で靭帯や筋肉が緩み、腹横筋の働きが弱まります。
さらに出産後は育児による姿勢の崩れ(猫背・反り腰)や、腹筋の使い方のクセが残ることで、腹横筋がうまく機能せず、いつまでもお腹が戻らない状態が続いてしまうのです。
放置するとどうなるの?
腹直筋離開をそのままにしておくと、以下のようなトラブルを引き起こします。
・ポッコリお腹が治らない
・代謝が落ちて太りやすくなる
・腰痛や肩こりが慢性化
・姿勢が悪くなる(反り腰・猫背・巻き肩)
・内臓下垂や便秘、胃腸の不調
・尿漏れや頻尿などの骨盤底トラブル
つまり、見た目だけでなく、体の機能そのものに影響してしまうのです。
改善のカギは「腹横筋」と「骨盤底筋」

腹直筋離開を改善するためには、腹横筋と骨盤底筋を中心としたインナーマッスルの再教育が必要です。
これらの筋肉は「骨盤とお腹を支えるチーム」。
どちらかがうまく働かないと、姿勢の崩れや腹圧の乱れにつながります。
当院では、まず骨盤の歪みを整え、その後にピラティスを用いた腹横筋トレーニングを行います。
ピラティスは呼吸を使いながら深層筋を丁寧に動かしていくメソッドで、腹直筋離開の改善に非常に効果的です。
自宅でもできる簡単セルフケア
<ドローイン(腹横筋活性エクササイズ)>
仰向けで膝を立て、背中を床につける
鼻から息を吸いながらお腹を軽くふくらませる
口から細く長く息を吐きながら、おへそを背中に近づけるようにお腹をへこませる
1日10回×3セットを目安に行いましょう。
この「呼吸を使った腹圧コントロール」が、腹直筋離開改善の第一歩です。
<NG動作に注意!>

・起き上がるときに上体を丸めて起きる(腹圧が強くかかる)
・重いものを抱えて腰を反らせる
・くしゃみ・咳をするときにお腹を突き出す
どれも腹直筋に過剰な負担をかけ、離開を悪化させてしまいます。
当院のアプローチ:産後骨盤矯正+産後ピラティス

当院では、単なる「骨盤矯正」ではなく、骨格・筋肉・神経・呼吸をトータルに整える産後リハビリを行っています。
・骨盤矯正で歪み・姿勢をリセット
・ピラティスで腹横筋・骨盤底筋を再教育
・正しい姿勢と呼吸を体に記憶させる
この流れで、腹直筋離開によるポッコリお腹を根本から改善へ導きます。
なんちゃって産後骨盤矯正や、何となくエクササイズは気をつけて!

「新人スタッフによるマニュアル的な骨盤矯正」
⇒骨盤矯正だけでは歪みは改善されても、腹部インナーマッスルは回復しません!
「グループレッスンでなんとなく動くだけのエクササイズ」
⇒運動不足解消にはよいですが、腹部インナーマッスルに効いていないと意味がなありません!
「産後のカラダに理解がないパーソナルトレーニングジム」
⇒頭を起こすようなヘッドアップ系の腹筋運動は腹直筋離開を悪化させる可能性があります!
「EMS電気刺激にたよった方法」
⇒EMS直後は引き締まりますが、筋肉が付くわけではないのですぐに元に戻ります!
このような“なんちゃって産後ケア”では、本質的な改善は望めません。
専門知識を持つ施術者による指導が、腹直筋離開など産後の体を回復させるために必要です。
実際の改善事例
👩🦰 28歳・二児のママの声
産後の骨盤の広がり、ぽっこりお腹で今まで履けていたデニムが入らなくなってしまいました。
抱っこしている時間が長いので姿勢が悪くなり肩が巻き肩で内側に入ってしょっているのが悩みでした。
👩🦰 30代・一人目出産後のママの声
産後姿勢がとても悪くなり、それが原因なのか肩こりが ひどくなったこと。
産んだ後なら入ると思っていた服が ほとんど入らなかったことにもショックを受け来院しました。

多くの方が腹直筋離開の影響で「もう戻らない」と諦めていたお腹を取り戻しています。
まとめ
出産はまさに命がけ。
身体はもちろん、心にも大きな負担がかかります。
「体型が変わって自信を失った」
「疲れが取れず、笑顔が減った」
そんなママが笑顔を取り戻すために、私たちは身体の回復をサポートしています。
腹直筋離開(白線離開)は、放っておくと長年の不調につながります。
しかし、正しい方法でアプローチすれば回復は十分可能です。
・ポッコリお腹が全然治らない
・腰痛や姿勢の悪さが続く
・産後の体型が戻らない
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
一人ひとりの身体に合わせた安全で効果的な産後のリカバリーケアを提案いたします。
~子どもの幸せはママの笑顔から~
伊集院鍼灸整骨院(千葉中央院・津田沼院)院長 伊集院 博
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院とマシンピラティススタジオの代表を務める。
『子どもの幸せはママの笑顔から』をミッションに掲げ、ママと赤ちゃんに日本で一番やさしい整骨院を目指し、整骨院に保育士在籍の無料託児所を併設。託児は保育士がマンツーマンで対応するなどサービス内容も充実している。
産後の腰痛、股関節痛、恥骨痛、尾てい骨痛などの改善や、体型戻しのトレーニング指導には定評があり、産後の不調で来院されるママさんは年間延べ5,000人以上。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任

















