本当に日本は“不妊大国”なのか?
「日本は不妊大国」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、日本の夫婦の約5.5組に1組が不妊の悩みを抱えていると言われています(※2022年 厚生労働省調査)。
この数字は世界的に見ても高い水準で、「不妊治療の件数」「体外受精の実施件数」では日本は世界一です。
子どもを望む気持ちがあっても、思うように授からない。その背景にはさまざまな要因が絡んでいます。
なぜ日本の不妊率は高いのでしょうか?
医療は進歩しているはずなのに…と疑問に感じる方も多いかもしれません。
実は、日本の不妊治療は技術的には進んでいても、「結果」が伴っていないとも指摘されています。
具体的には、体外受精の成功率が他国に比べて低いというデータがあります。その理由として、
・治療開始が遅い(年齢が高い)
・身体の準備が不十分なまま治療を始める
・医学的な対処に偏り、生活改善や体質改善が軽視されがち
などが挙げられます。
つまり、日本の妊活は「外側からのアプローチ」に頼りすぎており、本来の身体の状態=内側の土台作りが疎かになっているのです。
なぜ今、日本でこれほど妊娠しづらい人が増えているのか?
不妊の原因はひとつではありません。女性側・男性側ともに原因がある場合も多く、現代の生活環境が大きく影響しています。
このような不妊の主な背景要因があります。
・晩婚・晩産化による加齢
・ストレス社会で自律神経が乱れている
・冷え性や低体温
・食生活の乱れ
・無理なダイエット
・肥満
・運動不足
・過剰な運動
・睡眠の質の低下
・長時間のデスクワークやスマホによる血流不良
これらはすべて、体の「巡り」や「ホルモンバランス」に影響を与える要素です。
つまり、「妊娠しやすい身体」は、健康的な生活習慣や、血流・自律神経・内臓の働きなどがしっかり整っていることが大前提です。
体外受精や顕微授精をしても確率が上がらない理由と“体質改善”の重要性
近年では不妊治療の最終段階として、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)を選ぶ方が増えています。
しかし、実際には「思ったほど結果が出ない」「治療しても妊娠率が自然妊娠とあまり変わらない」と感じる人も少なくありません。
この背景には、**技術では補いきれない「身体の土台」**という重要な要素が関わっています。
<治療の限界 ― 妊娠は“受精”だけではない>
体外受精や顕微授精は、卵子と精子を人工的に出会わせ、受精までをサポートする技術です。
けれども妊娠のプロセスはその先が本番。
受精卵が子宮内膜にしっかり着床し、ホルモンバランスが維持され、血流と代謝が安定していることが、妊娠継続のカギになります。
つまり、「受精卵をつくる」ことと「生命を育む環境を整える」ことは別の課題です。
いくら最先端の技術で受精しても、母体側の血流・ホルモン・免疫などのバランスが乱れていれば、着床しにくく、妊娠率は自然妊娠と大きくは変わらない結果になることがあります。
<成功率を左右する“体の状態”>
妊娠の土台を支えるのは、子宮・卵巣・血流・代謝・ホルモン・腸内環境といった身体全体の調和です。
冷えやストレス、慢性的な疲労、栄養バランスの乱れは、卵子や子宮の質を下げるだけでなく、着床率や妊娠維持力にも影響します。
実際、体外受精の成功率は40歳を超えると10%を下回ることもありますが、同じ年齢でも「体温・血流・ホルモンバランス」が整っている人では、成功率が明らかに高いという報告もあります。
< 体質改善がもたらす“見えないサポート”>
体質改善とは、単なるダイエットや健康法ではありません。
「ホルモンが整うリズム」「血流がめぐる体」「自律神経の安定」といった、生命を育むための基礎力を整えることです。
たとえば、
・食生活の見直し腸内環境を整える
⇒食事からミネラル・たんぱく質・ビタミンをしっかり摂る。栄養の吸収が妊活に直結します。
・冷えを改善する
⇒鍼灸や整体で血流を促し、内臓の働きを高めます。
・ホルモンバランスを整える
⇒自律神経を整え、ストレスを軽減するケアが大切です。
・適正体重をコントロールする
⇒肥満はホルモンや代謝のバランスの乱れを引き起こすため、体重コントロールは大切です。
・骨盤・姿勢を整える
⇒整体やピラティスで骨盤の歪みを調整することで、子宮や卵巣の働きも活発になります。
・「気・血・水」の巡りを良くする(東洋医学の考え)
⇒鍼灸によるツボ刺激や全身調整で、妊娠しやすい体の基盤を作ります。
といった日々の積み重ねが、卵子や子宮環境の質を高めます。
これにより、体外受精の「技術的な力」と「体の自然な力」がかけ合わさり、
結果として妊娠率が高まりやすくなるのです。
<技術 × 体の力 = 妊娠力>
体外受精や顕微授精は素晴らしい技術です。
けれども、妊娠の主役は「体そのもの」。
体質改善によって、血流・ホルモン・自律神経を整え、妊娠しやすい環境を育てることが、
どんな治療よりも確実なサポートになります。
妊娠は、技術と身体の調和のうえに成り立つもの。
治療を始める前に、まずは“体を整える”ことからスタートしましょう。
まとめ 〜妊娠力を育てる本当の意味〜
体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は、確かに大きな希望を与えてくれる素晴らしい技術です。
けれども、どんなに最新の医療を取り入れても、「妊娠する力」を生み出すのは身体そのものです。
ホルモンの働き、血流、代謝、自律神経、そして心の状態――
これらが整ってはじめて、受精卵が安心して育つ“土台”が整います。
体質改善とは、単に「健康になること」ではなく、生命を迎え入れるための体内環境を育てるプロセス。
そしてそれは、どんな治療とも相乗効果を生み出す力を持っています。
私たちは、鍼灸師・整体師・ピラティストレーナー・ファスティングカウンセラーとして、身体の内と外、両面から妊活をサポートしています。
一人ひとりの体質やライフスタイルに合わせて、「血流・ホルモン・姿勢・呼吸・腸内環境」などを整えることで、妊娠しやすい身体づくりをお手伝いしています。
「なぜ結果が出にくいのか」「何を整えるべきか」と感じたときは、
どうぞお気軽にご相談ください。
体を“整える力”を引き出しながら、医療と自然の両側面からサポートしていくことで、
妊娠へ向かう可能性は確実に広がっていきます。
妊活は「頑張ること」ではなく、「整えていくこと」。
心と体がやさしく調和したとき、その準備が整います。
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院とマシンピラティススタジオの代表を務める。
『子どもの幸せはママの笑顔から』をミッションに掲げ、ママと赤ちゃんに日本で一番やさしい整骨院を目指し、整骨院に保育士在籍の無料託児所を併設。託児は保育士がマンツーマンで対応するなどサービス内容も充実している。
産後の腰痛、股関節痛、恥骨痛、尾てい骨痛などの改善や、体型戻しのトレーニング指導には定評があり、産後の不調で来院されるママさんは年間延べ5,000人以上。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任






