産後から、手首や親指の痛みが続いていませんか?
産後になってから、こんなお悩みはありませんか?
✅ 親指の付け根から手首にかけてズキッと痛む
✅ 抱っこやオムツ替えで手首がつらい
✅ ペットボトルのフタを開けるのが痛い
✅ 朝、指がこわばって動かしづらい(ばね指のような症状)
✅ 整形外科でサポーターを出されたが、家事や育児の時に着けることが難しい
このような症状で来院される産後ママは、非常に多くいらっしゃいます。
産後の手の痛みは一括りにされがちですが、
**臨床上、圧倒的に多いのが「ドゥケルバン病」**です。
ばね指も見られますが、頻度としてはドゥケルバン病が大半を占めます。
産後に多い手の腱鞘炎― 圧倒的に多いのがドゥケルバン病 ―
ドゥケルバン病について
ドゥケルバン病は、
親指を動かす腱が通るトンネル(腱鞘)で炎症が起きている状態です。
特徴として、
・親指を動かすと手首の親指側が痛い
・抱っこや、物をつかむ動作で手首の親指側が痛い
といった症状が出やすくなります。
産後ママの手の痛みで、最も典型的なパターンです。
ばね指について
ばね指は、
・指の曲げ伸ばしで、手のひら側の指の付け根が引っかかる
・カックッンとバネが跳ねるような動きになる
・朝にこわばりが強い
といった症状が特徴です。
産後にも見られますが、
頻度としてはドゥケルバン病より少なめです。
なぜ産後は手の腱鞘炎が起こりやすいのか
産後の手の腱鞘炎は、
「手を使いすぎているから」だけでは説明しきれません。
出産を経て、身体には次のような変化が起こります。
・ホルモン(リラキシン)の影響で靭帯や腱がゆるみやすい
・体幹で支えられない分、無意識に「手で支える」「親指を使いすぎる」動作が増える
・抱っこや授乳で、同じ手の使い方を繰り返す
・育児動作が左右非対称になりやすい
この状態で、
手や親指に負担が集中する生活が始まることが、
腱鞘炎を引き起こす大きな要因になります。
ドゥケルバン病を悪化させやすい「手の使い方」
産後のドゥケルバン病で、
特に問題になりやすいのが 手の使い方そのものです。
多くの産後ママは、
・親指が上にくる状態で赤ちゃんを抱える
・手の甲を上に向けたまま手首や指を使うことが多い
といった使い方を無意識に繰り返しています。
この使い方では、
・親指を外に開く筋肉
・手首を安定させる腱
に常に負担がかかり、
ドゥケルバン病を悪化させやすくなります。
手のひらを上に向けた手の使い方をすると、痛みが軽減する理由
臨床でよく見られるのが、
手のひらを上に向けた、手の使い方に変えると痛みが軽減する
という反応です。
これは、
・親指の過剰な緊張が減る
・腱鞘への圧迫ストレスが軽くなる
・手首や指の使い方が変わる
ためです。
つまりドゥケルバン病は、
使いすぎ+使い方の問題が重なって起きているケースが非常に多いのです。
固定療法が現実的でない理由(産後ママの場合)
ドゥケルバン病に対しては、
・テーピング固定
・サポーター固定
・シーネ固定
といった固定療法が一般的に行われます。
確かに、
炎症を抑えるという点では効果があります。
しかし産後ママの場合、
・水仕事ができない
・オムツ替えや沐浴がしづらい
・シーネ固定などは抱っこが現実的に難しい
といった問題が生じやすく、
重症例を除き、固定は現実的でないケースが多いのが実情です。
「安静にしてください」が難しいのが、産後という時期です。
当院の考え方|産後の手の腱鞘炎は「局所ケア×使い方の再構築」
当院では、産後の手の腱鞘炎を
「手だけの問題」としては捉えていません。
重要なのは次の2点です。
① 局所の負担を適切に減らす
・体外衝撃波など腱鞘炎への適切な施術
・必要に応じたテーピング(生活に支障が出ない範囲)
・使いすぎている筋・腱の負担を軽減する手の使い方の指導
② 手に負担が集中しない身体の使い方を取り戻す
・体幹が使えることで、上肢の負担を減らす
・抱っこや授乳時の手の使い方の見直し
・産後骨盤矯正で身体の土台を整える
・産後マシンピラティスで体幹と上肢の連動を回復させる
手首や親指だけをケアするのではなく、
**「手が頑張らなくていい身体」**を目指すことを大切にしています。
産後の手の腱鞘炎:まとめ
・産後の手の痛みで最も多いのはドゥケルバン病
・原因は使いすぎ+使い方+産後特有の身体変化
・固定療法は理論的には有効だが、現実的でないケースが多い
・局所ケアと身体全体の使い方の見直しが重要
「手を休められないから仕方ない」と我慢するのではなく、
今の身体に合ったケアと使い方を知ることが、長引かせないためのポイントです。
※強い腫れ、安静時痛、しびれを伴う場合は、整形外科での評価と併用することをおすすめします。
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著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院とマシンピラティススタジオの代表を務める。
『子どもの幸せはママの笑顔から』をミッションに掲げ、ママと赤ちゃんに日本で一番やさしい整骨院を目指し、整骨院に保育士在籍の無料託児所を併設。託児は保育士がマンツーマンで対応するなどサービス内容も充実している。
産後の腰痛、股関節痛、恥骨痛、尾てい骨痛などの改善や、体型戻しのトレーニング指導には定評があり、産後の不調で来院されるママさんは年間延べ5,000人以上。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任

















